「想定外の事態について、発生する『確率』ではなく、発生した時に受ける『影響』を考慮することが重要である」ーーー。過去の経験や統計では予測できない現象(金融危機など)について多角的に研究する、学者のナシム・ニコラス・タレブ氏の提言です。今回は、新たな挑戦をしようしている一方で、行く先が不安であるため、その挑戦に及び腰になっている人たちへ、タレブ氏の知見を踏まえた「一歩踏み出す方法」をご紹介できればと思います(執筆者は、当社広報担当のサムです)。
■将来は、「不確実性」の連続
将来は、不確実性の連続だと思います。
不確実性とは、要するに「将来何が起きるかがわからない」という意味です。
不確実性が高いと、良いことでも悪いことでも「想定外の事態」が起こる可能性も、高くなるといえます。
(悪いことは起こってほしくないですね)
このような、「想定外の事態」に対して、タレブ氏は下記2点の観点で考えることが
重要と説きます。
① 「想定外の事態」が起こる確率 → 考える必要はない
② 「想定外の事態」が起こった時の影響 → 考える必要がある
①については、将来のことは誰もわからないため、考えたり心配するのは、あまり意味がないということでしょう。個人的には、とても腑に落ちる見解です。
(誰しもがわからないことを考えても、仕方ないですからね)
②については、タレブ氏の知見について紹介する、ボストンコンサルティングの佐々木靖氏の見解が参考になります。(下記は「日本経済新聞朝刊29面 2015/12/8」を要約)
■ボストンコンサルティング佐々木靖氏の見解
佐々木氏は、地震を例にとって
・地震が起こる確率 → 考える必要はない
・地震が起きた時の影響 → 考える必要がある
と指摘しています。
地震はいつ起こるかわからないのだから、
地震が起きた時の影響を踏まえて、対処策(被害緩和策など)を、
事前に考えておくことが重要だということです。
■ベンチャービジネスが失敗する「確率」は考えなくて良い
この考えは、私たちビジネスパーソンにとっても、重要な示唆を与えてくれていると考えます。
例えば、ベンチャービジネスに挑戦する時に、
・失敗する確率 → 考える必要はない
・失敗した時の影響 → 考える必要がある
と考えられます。
まずは、ベンチャービジネスの失敗確率を考えるのは、基本的にはあまり意味がないということですね(やってみないとわからないから)。それよりも重要なのは、失敗した時の「影響」ですが、想像すると下記でしょうか。
・お金がなくなる
・名誉がなくなる
・家がなくなる
・パートナーがいなくなる・・・
これを書き出してみて、「失ったって、あまり大したことないじゃん」と思ったら、
ベンチャービジネスを思い切ってやるべきなのだろうと思います。
ちなみに、当社の共同代表の2人(高田、増井)は、
「多くの挑戦(起業など)は、失敗したって死ぬことはない(だから、何でも挑戦すべき)」と言っていました。
(本人たちは、覚えているかどうかはわかりませんが)
つまり、挑戦したって「命まではなくならない」ということですね。
私は、この「命はなくならない」という言葉に、ハッと気付かされた気がします。
「命がなくならない」挑戦であれば、ドンドンやってみようと思ったのです。
できたてホヤホヤの当社に入ったのも、そんな思いからです。
以上から、繰り返しにはなりますが、言いたいことをまとめると、
① 「将来の不安要素」が起こる確率 → 考える必要はない
② 「将来の不安要素」が起こった時の影響 → 考える必要がある
ということです。
これから、何かに挑戦しようと思っている人がいれば、「②」について考えてみてください。
もし、「失敗して失うものって、自分にとって大したことないじゃん」と思ったら、挑戦しちゃいましょう!
応援しています!